問題はホノルル空港の着陸です

　子供の頃よく家の前にある大きな栗の木に登って遊んでいました。登るときは上を見て元気に登るのですが、下りる段になって下を見ると怖くなります。飛行機も同じようで、窓から真下をみる結構な高度、どうやってここから安全に下りることができるのだろうか、初めて体験する着陸を不思議な気分で迎えてました。

　予約できる機体は２種類あって、単発機と双発機です。当然双発機の方が安全だと思いますよね、だってエンジンが一つ止まっても片肺飛行で戻れるでしょう。しかし料金は大分高いのです、私の選んだ機体は単発機でした。エンジンは1000cc、息子のオートバイが1200ccだから、こんなもので飛べるのかい？と考えてしまいます。

　エンジンは小さいが、それでも巡航速度は200km/h、観光しながら操縦するには丁度よい速度に思われました。講師の目を盗んで少し山に近づいてみたり、さんご礁の上で少し機体を傾けてみたり、機体が私の言うことを聞いて姿勢を変えるあたり、面白いですね。

　パイナップル畑の上空を抜けるとやがて前方に真珠湾が見えてきました。いよいよ着陸です、さあどうなるのかな。講師が「ホノルル空港が見えてきました、右側の滑走路に着陸させますから」と。なぜか滑走路が真下に見えるのです。落下しないと下りられないよと思いつつも講師の指示を待ちます。「フラップを２段下げて下さい！」、フラップのレバーをカチカチンと２段引き「２段下げました！」と報告。命が掛かっていると思うと緊張してきます。

　つぎに講師は「エンジンの出力をゼロに落としてください！」と「エッ！　ゼロですか？」エンジンが止まちゃう、恐る恐るスライダを下げていると。講師が「ゼロです、エンジンは止まりません、大丈夫」、そして「フラップを全部下げて水平に入ってください、着陸します」

　気が付くと目の前に滑走路が広がっていました。「ハイ、ゆっくり、ゆっくり機種を下げて！」、ガタンと着地の音がして「ああ、無事だったか」と。


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　飛行機の操縦に大喜び　車との違いにビックリ

　英語が少し話せるようになると、チケットの安い時を狙って、自分の都合だけで海外に飛び出せる、これがなんとも魅力的です。大分前になりますが、安いからと一度も行ってないからが理由でハワイへ。
　
　なにか初体験がしたい、インターネットで探し小型飛行機に乗るツアーに参加しました。当日の迎えの車がホテルに到着、客は私ひとり、そしてホノルル空港へ、もちろん飛行場の裏口ですが。

　飛行場の片隅の小さなハウスで１５分間の操縦教育、模型を使って右旋回、左旋回の昇降蛇と主翼の関係など教えてくれました。そしていざ格納庫へ。

　小型飛行機は昔の零戦がた、日本人先生の指示で主翼に足を掛けて操縦席へスポンと乗り込みます。先生は副操縦士の座席へ、なかなかいい感じになってきました。スカイプ英会話と同じようにヘッドセットを付け、先生との会話は全てこれを経由します。

　先生の指示でキーを回してエンジン始動、オレンジ色の誘導線に沿って滑走路を目指します。管制塔とのやり取りは全て先生。さあ take off だ、アクセルのスライダを目一杯上げての指示、ゆっくりと上げた。計器が60マイル(100km/h)になったら機首を挙げてとのこと。エンジンは快調らしくバリバリ回りだした。初めての体験なので面白くて嬉しくて、ドキドキしながら操縦桿をゆっくり手前に引くと機体が浮き上がりました。

　たちまちホノルル上空へ上昇、そして水平飛行に。下に見える、ワイキキの横のハイウェイの上空1500フィートを120マイル／時で飛びますとの指示がでました。そして、ダイヤモンドヘッドの先の海上で左旋回、機体が傾く感覚がなんともいえません、下の薄緑のさんご礁と青い海が近づいてきます。気が付くと軽快なハワイアンミュージックが聞こえてます、先生がＦＭ放送を受信してくれたのです。

　島をほぼ一周し、最後はパイナップル畑上空からホノルル空港へ無事着陸しました。車は二次元の平面を走りますが飛行機は三次元の空間で運転すること、絶えず高度、スピード、水平線の角度をチェックしています。飛行機は途中停車ができないこと、何が何でも滑走路までたどり着かなければならないことなど実感できました。

　しかし管制塔とのやり取りは難しそうですね、ライセンス試験では５秒以内に的確な応答ができない場面があると、その時点で失格になると話していました。

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ミュージカル　アイーダに感動

　少し英語が話せるようになると海外に飛び出したくなるもので、何年か前ですがニューヨークへ。ミュージカルは英語が分からないと鑑賞できないのかと思っていたら大違い、事前にあらすじさえ把握していれば十分感動できます。

　そのとき見たのはアイーダ(AIDA)、作詞ティム・ライス、作曲エルトン・ジョン。英語の先生もエルトン・ジョンは有名だ、ダイアナ妃葬送曲を作った人だと、またNubiaという国は実在したと言ってました。

Buena Vista Theatrical Group presents Elton John and Tim Rice's musical love story, Aida. The story is based on the legendary tragedy of Aida, a Nubian Princess who is taken as a slave by Radames, a conquering Egyptian soldier, and given as a handmaiden to the Pharaoh's daughter. Aida soon finds herself in love with Radames and is torn between love and duty when the Nubian slaves look to her to lead them to freedom. Directed by Robert Falls and choreographed by Wayne Cilento, Aida won several 2000 Tony Awards: Best Actress in a Musical, Heather Headley; Best...
(legendary=伝説の　tragedy=悲劇　Nubian=ヌビア人　handmaid=小間使い　choreograph=振り付けをする)

　Nubia国がエジプトに征服されみな捕らわれの身に、王女AIDAはエジプト王女の小間使いに。やがてAIDAは敵国エジプトの将軍アダメスとの禁じられた恋に。ある夜、捕らわれの父Nubia王をアダメスと一緒に逃亡させる。これがばれて二人は生き埋めの刑になった…

　ミュージカルなど縁遠い私ですが、よくできた舞台と生演奏、特にPharaoh's daughterの歌には感動しました。残念ながら現在は上演されてないようですが。


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　いつもどおり、メトロセンター駅近く

のバス停からサンタモニカ行きのバスに

乗り込む、私はこのルートが気に入って

いました。終点モニカまでは１時間半は

かかるので途中うとうとできるのも楽

しみです。ダウンタウン中心部を出て車

窓に飛び込んでくるのは庶民の街、歩道

には浮浪者風の人も見えるます、99セン

トショップの看板もあります。

　この日はロデオドライブのティファニ

ーで買物、と言っても店員とのやり取り

を楽しむようなもの、女房から頼まれた

指輪を探して店内に。入ってみるとニュ

ーヨーク・ティファニーのような豪華さ

はなく、商品の数も少ないので少々がっ

かり、店員の女性に色々と調べてもらい

ましたが欲しい指輪の在庫はないとのこ

とで諦めました。お金持ちが来る場所な

ので一人旅の私には縁がないなと思い、

またバスに乗りました。

　フリーチケットを手に入れた翌日は、

ダウンタウンからサンタモニカ行きのバ

スに乗りました。さすが庶民の乗り物、

路肩近くを走るので、車体はバウンドし、

硬いスプリングのせいかゴツンゴツンと

衝撃が椅子から伝わってきます。バス停

で止まると誰が乗ってくるのか目がそち

らに向かいます。乗客に白人は少なく、

スーツ姿もいません。ここでも黒人は声

が大きく、最後部席から運転手と会話し

ていました。

　はじめて乗るバス、何をしゃべってい

るのか私の耳は興味津々なのでしたが、

聞き取れません。そんな折、隣のおばあ

ちゃんが話しかけてきました。さあ英

会話レッスン開始と私のエンジンが始動

「どこから来たのか」とか簡単な会話、

幸いゆっくりしゃべる方で助かりました。

「じゃ良いたびをね」おばあちゃんはロ

デオ通りの先で下車していきました。